決議

「日の丸」常時掲揚・「君が代」起立条例の即時廃止と、教育基本条例案の撤回を求める決議

2011年08月27日

  1.  2011年6月3日、大阪府議会において、「大阪府の施設における国旗の掲揚及び職員による国歌の斉唱に関する条例」(以下、「日の丸・君が代条例」という。)が大阪維新の会単独の賛成で成立した。また、8月22日には、大阪維新の会が、「君が代」斉唱時の起立職務命令に従わなかった教員を懲戒処分する規定を含む教育基本条例案を9月議会に提案する方針を決めた。
  2.  日の丸・君が代条例は、大阪府の施設において「日の丸」を常時掲揚することや、府立学校の行事で「君が代」を斉唱する際、教職員に起立斉唱を義務づけることを内容とするものである。
     しかしながら、「日の丸」「君が代」は、侵略戦争に国民を統合するための旗印として利用され、また、天皇の神格化を強めるために利用された歴史を持つため、これを敬う行為は憲法の平和主義や国民主権の理念と相容れないと考える府民・教職員は少なくない。そのような者に、「日の丸」を掲揚して敬うことを強い、「君が代」を起立して斉唱することを義務づけることは、憲法19条に保障された思想・良心の自由を侵害するものである。
     また、教職員に、「日の丸」を敬い、「君が代」の起立斉唱を義務づけることは、子どもや保護者にもそれが義務であり、正しいこという一方的観念を植え付けることになる点で、政治的権力の教育に対する不当な介入であり、憲法や教育基本法にいう教育の自由・教育の政治的中立にも反するものである。
  3.  大阪維新の会及び橋下府知事は、さらに、9月議会に教育基本条例案を提出し、君が代を起立斉唱しない教職員を免職を含む懲戒処分に処す規定を設けることで、教職員を懲戒処分の威嚇のもとに、その思想・良心まで統制しようと目論んでいる。
     しかしながら、政治的権力に統制され、命令と服従の関係に基づいた教育は、時の権力に都合のよい人材の育成につながるものであり、真理と正義を愛し、平和を希求する人間の育成を期すことはできない。
  4.  民主法律協会は、日の丸・君が代条例の即時廃止を求めるとともに、教育基本条例案の撤回を強く求めるものである。

   2011年8月27日
                           民主法律協会第56回定期総会