声明・アピール・決議
自衛隊のイラク派兵に反対し、派遣された自衛隊の即時撤退と今後の派兵中止を求める決議
 政府は、憲法と国民の声を踏みにじり、イラク派兵承認案を国会で強行採決し、陸上自衛隊本体の派兵を強行した。
 国会論戦の中で、先遣隊の帰任報告書が事前に作られていたことなどの虚偽と隠蔽が暴露されたにもかかわらず、「日米同盟優先・派兵先にありき」というなりふり構わぬ小泉首相の姿勢は、主権者である国民を愚弄するものである。

 また、米ブッシュ政権のケイ元調査団長自身によって、イラク戦争の口実になった「大量破壊兵器の保有」が否定されるなど、イラク戦争そのものの大義が根底から覆されているにもかかわらず、イラク脅威論を鵜呑みにして侵略戦争を支持したことを反省しようともせず、さらに自衛隊派兵を強行する小泉内閣の異常性は国際的にも際立っている。

 イラクへ派兵された自衛隊は、占領軍としての地位・特権を法的に保障され、実態的にも自衛隊は占領軍の指揮下におかれるなど占領軍の一員となることが明らかにされている。自衛隊の行う「安全確保支援活動」の活動は、米英占領軍の占領支配の一端を担うものであり、憲法の禁止する「交戦権」行使にあたる相手国領土の占領や占領行政への参加そのものであり、交戦権や武力行使を禁止した憲法と両立しないことは明らかである。

 さらに、米軍の協力者として自衛隊ばかりかNGO関係者なども攻撃の標的となるおそれがあり、「テロに屈してはならない」「汗を流す必要がある」との掛け声のもとに自衛隊員の尊い生命が犠牲にされることも、自衛隊の武力行使によりイラク国民に犠牲者を出すことも決して許されない。

 今、求められているのは、戦争によって破壊されたインフラ等の復興支援とイラク市民のニーズにあった非軍事的な人道支援である。そのためには、1日も早いイラク国民への主権の移譲と国連中心の復興支援が求められる。日本政府のするべきことは、その実現に向けた外交努力でありイラクの占領への荷担ではない。

 民主法律協会は、自衛隊のイラク派兵に強く反対し、現在派遣されている自衛隊の即時撤退と今後の自衛隊派兵の中止を強く求めるものである。

以上決議する
2004年2月15日
                           民主法律協会
2004年権利討論集会
   
 
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