民主法律時報

労働相談懇談会に参加して

出版ユニオン大阪 大久保 武則

 6月15日に国労会館1階ホールで行われた、2017年第2回労働相談懇談会に参加しました。この懇談会には、弁護士、大阪労働相談センター、相談を受けて解決に向けて活動している地域労組の組合員など、30名が参加しました。

懇談会は、主催者挨拶、西川大史弁護士による「最近の労働裁判に見られる特徴」に続いて、清水亮宏弁護士による「採用・内定・入社を巡る労働問題~近年注目を集める求人トラブルへの対応を踏まえて~」の学習会が行われました。

学習会では、①求人と実態が異なる問題「求人詐欺(ブラック求人)」、②詐欺求人問題の構造、③労働条件の明示等に関する現行法上の規制、④求人と実態が異なる場合にどう争うかについて、 ページにわたるレジュメを基に話されました。

この話のなかで、私がレジュメにメモ書きしたことは、職業安定法 条「求人企業は当該募集に応じようとする労働者に誤解を生じさせることのないように平易な表現をもちいる等その的確な表示に努めなければならない」は努力義務でしかないこと、労働基準法 条第1項の中の「労働条約の締結」時点とは「採用内定」時点であることなどです。

また、職業安定法の改正(職業紹介の機能強化及び求人情報等の適正化)中、「採用時の条件があらかじめ示した条件と異なる場合等に、その内容を求職者に明示することを義務付ける」とありますが、説明を受ければ同意したとみられる危険があるということですから、同意できないという意思表示が大切であると思いました。

「求人詐欺」は、応募した労働者本人が不利益を被るのはもちろんのこと、社会全体に悪影響を及ぼすものですが、ブラック企業の一要素としても取り上げられました。しかし、講師の話がよかったのか、相談する事例が少ないということか、ほとんど質問はなく、予定時間より早く終了しました。

なお、純中立の出版労連組合員である私が参加したのは、当時労働相談員をされていた杉山氏(全印総連出身)から誘われ、オブザーバーの立場でした。現在は民法協との共催になり、民法協会員として参加しています。

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