民主法律時報

Q:学校運営協議会の権限は?

Q:この条例案は、すべての学校に「学校運営協議会」を設置することを義務付けています。具体的に、どのような権限をもつ協議会でしょうか。

A:教育基本条例案第11条2項によれば、学校協議会は次のような権限を持つと定められています。
  (1)部活動等の学校の運営に対して助言をする権限
  (2)校長の学校運営に対する評価を行う権限
  (3)校長が、府教育委員会が採択すべき教科書を推薦するにあたり意見を出す権限
  (4)学校に対する評価を行う権限
  (5)教員に対する人事評価を行う権限
 学校協議会は、学校の運営に対して助言を行うのみならず、極めて重大な影響力を及ぼす権限が与えられるものとされています。
 例えば、(2)協議会の学校運営に対する評価は、府教育委員会に報告されるとともに、ホームページで公開されることとされており(条例案第8条3項)、校長の学校運営に強く影響を及ぼさざるを得ません。
 また、(4)学校に対する評価は、府教育委員会による校長の人事評価において参照されることと定められており(条例案第15条3項)、(5)教員に対する人事評価も同様に、校長による人事評価において参照されます(条例案19条2項)。協議会の評価が直接的に校長や教員の人事評価に影響することとなります。
 特筆すべきは、(3)採択すべき教科書の推薦について意見を出す権限です。校長は、学校協議会との協議を経て、教科書を推薦することができるとされています(条例案第8条3項)。
 そして、府教育委員会は推薦を尊重して教科書を採択しなければならず、推薦教科書を採択しない場合は、その理由を付して議会に報告するものとされています(条例案8条5項、6項)。かかる規定のもとにおいては、推薦教科書を採択することが原則となってしまいますから、学校協議会は教科書採択において、極めて強い権限を有することになります。

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