民主法律時報

真夜中の労働ホットライン報告

弁護士 清水 亮宏

1 ホットラインを開催しました
2018年1月19日、ブラック企業被害対策弁護団との共催で、「深夜の労働ホットライン~『働き方』は本当に変わったか~」と題するホットラインを開催しました。大阪だけでなく、北海道、宮城、東京、広島、福岡でも同時開催しました。ブラック企業被害対策弁護団の深夜のホットライン開催は、今回で5回目となります。

2 今回のホットラインの趣旨

「働き方改革」という言葉をよく聞くようになりました。しかし、本当に働き方は変わっているのでしょうか。むしろジタハラ(時短ハラスメント)やサービス残業が増えていないでしょうか。今回ホットラインは、現状を明らかにするために開催したものです。当日は、電話回線を3回線設置したほか、深夜まで働く労働者からも相談を受け付けられるようにするため、時間帯は20時から26時までとしました。

3 ホットラインの結果の概要
当日は約10名の弁護士が相談を担当しました。テレビや新聞で報じられたこともあり、非常に多くの相談を寄せていただきました。相談件数は全体として32件となりました(参考までに、2016年に実施した真夜中の労働ホットラインの相談件数は38件でした。)。
相談内容は、いじめ・差別・ハラスメント(10件)、長時間労働(9件)、残業代不払い(9件)に関するものが多くを占めました(複数回答です)。
相談結果から、依然として、長時間労働やサービス残業、ハラスメントがなくなっていない実態が明らかとなりました。「労働時間が管理されていない」「タイムカードに打刻する前に業務をさせられる」「業務が終了する前にタイムカードに打刻するよう指示される」「業務量は変わらないが残業時間を減らすよう指示されている」など、サービス残業やジタハラ(時短ハラスメント)に関する相談も複数ありました。また、ハラスメントに関する相談も多く、対策の必要性を再認識しました。
特徴的だったのは、前回のホットラインでは若者からの相談が中心であったのに対し、今回のホットラインは50代以上からの相談が多くを占めたことでした。

4 さいごに
ホットラインにご参加いただいた皆様、宣伝いただいた皆様、誠にありがとうございました。ホットラインの結果から明らかになった長時間労働、サービス残業、時短ハラスメント等の実態を発信していきたいと思います。

民主法律時報アーカイブ

アーカイブ
PAGE TOP