民主法律時報

2017年11月号

エミレーツ航空は日本の法律を守り、 3名を復職させ、労働環境の改善を!

航空連スカイネットワーク大阪エミレーツ航空分会

 私達エミレーツ航空原告3名が2014年9月1日に解雇されて3年、提訴から2年8ヶ月が経過した2017年10月23日に、大阪地裁での地位確認裁判は勝利判決が出ました。判決は整理解雇の4要件が満たされていないということで、賞与の一部は認められませんでしたが、ほぼ全面勝利でした。

裁判所は、人選の合理性と手続きの相当性については問題なしと判断しました。しかし、被告の財務状況が、解雇に至るまで26期連続黒字を計上し、経営は安定的なもので、人員削減を行う必要性や緊急性は高かったとは認められないことからすれば解雇を回避すべき高度な回避努力義務を果たす必要があったにもかかわらず、被告は十分な解雇回避努力義務をしていないとして、本件整理解雇は無効であると判断したのです。

エミレーツ航空の解雇が司法に不当だと判断されたことは、大変嬉しく思います。ただ、私達が一番主張したかった不当労働行為については争点にすら含まれていませんでした。

労組加入から解雇の経緯

2012年に中途採用された私達が配属された西日本支店予約発券課は、パワハラと未払い残業が随時発生している職場で、新入社員が入っては辞めていくの繰り返しでした。そのような職場環境の改善を目指して2013年1月、私達は航空連一般労組のスカイネットワークに加入し、3人で分会を結成したのです。

分会結成からすぐに会社と団体交渉を行い、幾つかの職場での労働環境の改善や訓練の充実という進展もありました。しかし、一番重要な、パワハラと未払い残業については最後まで平行線のままでした。私たちは、様々な証拠を提出し、解決のギリギリまで会社を追い込んでいました。そんな矢先の2014年5月に、「日本路線が赤字なので、1ヶ月後に予約発券課と名古屋営業所を閉鎖する」と、会社が発表しました。会社は異動先として3つの営業ポジションを作りましたが、異動が認められるのは営業関連の仕事をしていた従業員3名だけでした。両部署に所属していた従業員13名のうち7名は内容が一切公開されない早期退職条件を受け容れ退職し、残された私達3名は職場閉鎖と同時に自宅待機になり、最終的に解雇されました。

なぜ不当労働行為だと私達が主張するのか

広州にコールセンターが何年も前から計画されていて、2012年から入電の一部を広州コールセンターに段階的に転送し始め、仕事量が減っていくことに懸念した私達は2013年の団交の1回目からそのことに常に触れていました。しかし会社は自然減で対応する、すべて広州に移転されても、他の仕事に対応してもらう、と発言していました。それなのに、団体交渉が行き詰まり、会社の返答が曖昧になってきた途端、いきなり職場閉鎖となりました。

会社による一連の行動は私達組合員を解雇するために職場ごと排除し、他の社員を道連れにすることでカムフラージュした不当労働行為であると私達は主張しています。また職場閉鎖時に組合員以外の従業員に対しては1名ずつ個別交渉を行い、早期退職の条件を提示したようですが内容は全く明らかになっていない中、早期希望退職した1名が現在、復職しています。

2009年の名古屋空港からの撤退時には、社内全体で早期退職募集を行い、1名の希望退職者以外全員が異動配置されています。その時と明らかに違う理由はただ1つ、組合が存在したか否か、です。

この勝利判決から願うこと

私達3名は早期に職場復帰をし、普通の生活を取り戻し、平和に暮らしたいと思っています。またエミレーツ航空はじめ、外資系企業には、日本の法律を理解し遵守するべきだということを学んでもらい、パワハラや長時間労働に苦しんでいる労働者には、勇気と希望を持ってもらえれば、なお素晴らしい勝利になると思っています。

今後の活動に不可欠なのは、今までやってきている宣伝活動のみならず、深くベールに包まれたエミレーツ航空の本社にどうやって私達の声や活動を届けるか、ということです。国会議員の代表質問、在日UAE大使館から忠告、ILO勧告などの協力要請を、可能ならばやっていきたいと考えます。これからも、3名の職場復帰までの本当の勝利まで皆様の温かいご支援を、よろしくお願い致します。

衆院選アンケートを実施

事務局長・弁護士 須井 康雄

 2017年10月に行われた衆議院選挙に際し、民法協では近畿に比例候補者のある各政党と大阪選挙区の候補者に対し、労働法制に関するアンケートを行った。

アンケートの実施には2つの理由があった。1つは、安倍総理が、唐突に北朝鮮情勢を「国難」として衆議院を解散したが、労働者の生命・健康・財産を侵害する危険の大きい残業代ゼロ制度などの導入について、有権者に争点として十分に示されているとはいえなかったこと、もう1つは、希望の党の誕生を機に始まった民進党の事実上の分裂、排除された議員による立憲民主党の設立という野党勢力の大変動の中、野党についても労働法制に対するスタンスが不明となってしまったことであった。

政党に対するアンケートは、自民、公明、共産、立憲民主、社民から回答があり、希望、維新は回答がなかった。候補者に対するアンケートは、24名(自民1、公明1、共産13、立憲民主5、維新1、社民1、無所属2)から回答があった。

アンケートの結果は、次のとおりであった。私たちが「残業代ゼロ制度」として批判する高度プロフェッショナル制度、裁量労働制拡大について、自民が賛成、立憲民主、共産、社民が反対というのは予想どおりであったが、公明党が「どちらともいえない」との態度であった。

残業時間の上限規制は回答を寄せたすべての政党が賛成したが、100時間の例外に反対したのは、立憲民主、共産、社民だった。解雇の金銭解決については、自民も公明もどちらともいえないとの回答で、立憲民主、共産、社民は反対だった。

外国人労働者の増加について、自民、公明は賛成、共産、立憲民主、社民はどちらともいえないとの回答であった。

最低賃金を1000円にすることについては、回答のあった自民、公明、共産、立憲民主、社民すべての政党が賛成だったが、自由記載欄のコメントによると、自民、公明は全国加重平均(地域差を前提)、共産、立憲民主は全国一律という違いが出た。

アンケート結果は民法協のHPで公表し、各種MLで告知し、マスコミ、労働団体に送付した。アンケート結果は、新聞報道等はなかったが、ツイッターやフェイスブックで会員や労働組合により拡散された。「希望の党が無回答」という文脈でのツイートが最も多くの人に広がった。また、選挙区ごとの候補者の回答の表をツイッターで広めてくださった方もいた。

アンケートを実施した意義として、政党のスタンスがある程度、明らかになったという本来の意義に加え、私たちにとって予想された回答でも、アンケート結果という形で視覚化することにより、容易に多くの人に情報が広がっていくという意義もあった。
今後も、時期やテーマに応じてアンケートを実施し、立法部門への働きかけや市民への訴えに活用することを検討していきたい。

無期転換権を活用して 有期から無期契約雇用を進めよう―労働相談懇談会報告

大阪争議団共闘会議 新垣内  均

2017年10月3日に労働相談懇談会が、おおさか労働相談センターと民主法律協会の共催で行われました。久松おおさか労働相談センター副センター長の主催者挨拶のあと、西川大史弁護士から最近の労働裁判に見られる特徴の報告が行われました。今回の学習会のテーマは、「迫る! 労働契約法 条無期転換―労働組合のための無期転換の活用方法」で40人の参加者は熱心に講師の谷真介弁護士の講義にメモを取りながら聴き入っていました。

2008年のリーマンショック以来、派遣労働者や有期雇用労働者のための法律がありませんでした。2012年の労働契約法の改正で、有期雇用労働者の保護を目的に出口規制がなされましたが、入口規制はされませんでした。改正法が国会で可決された当時、雇止め裁判を闘っている全国の多くの仲間が「怒りで一杯」であったことを、私は思い出しました。

「労働契約法18条」は、2013年4月1日が起算点とされ2018年4月1日で5年を超えます。いわゆる「2018年問題が発生するのではないか」と言われています。無期転換されるには、有期雇用労働者が「無期労働契約転換の申込み」をしなければなりません。しかし、6ヶ月の空白期間(クーリング期間)があるとリセットされます。また、医師、弁護士、一定の経験のあるSEなど高度専門職や科学技術に関する研究者・技術者、定年後雇用される労働者は、有期特措法などの特例法で無期転換権行使のための期間が 年とされています。高度専門職は、収入要件があるとともに、事業主が適切な雇用管理計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受けることができます。

学習会では、熱心な質疑が行われました。大きな問題点は、18条の無期転換要件を満たす前に雇止めをすることや、あらかじめ5年を最長とした契約書に労働者がサインを求められることです。この無期転換ルールについて、企業の労務担当者の80%が知っているのに、労働者の80%が知らないといわれています。

まずは、労働者に知らせることが大事です。そして、有期雇用労働者からの申込みを尻込みさせないためにも労働組合に加入を促し労働組合から事業主に「無期転換通知書」を提出することが大切ではないでしょうか。
※宣伝には、民主法律協会/有期・パート・非常勤問題研究会が作成したリーフの活用を

労働法研究会 ―労契法20条(不合理な労働条件の禁止)を開催しました

弁護士 谷  真介

2017年10月7日、約1年ぶりに労働法研究会が開催されました。労働法研究会は、研究者と労働組合、労働弁護士を会員として組織している民法協ならではの取り組みですが、最近は1年に1度程度の開催にとどまっています。今回は、いま最もホットな論点である労働契約法20条(不合理な労働条件の禁止)をテーマとしました。参加者は26名でした。

研究会には、この論点について第一人者として研究され、いくつかの事件で鑑定意見書を作成されている緒方桂子教授(南山大学)におこしいただき、基調報告をいただきました。その前には、労契法 条をテーマに大阪でたたかっている郵政20条西日本裁判や大阪医科大事件(いずれも来年1~2月に地裁判決が予定)、旧パート労働法8条で勝訴判決を得られた京都市立浴場運営財団事件について、各弁護団から報告がなされました。

緒方教授からは、労契法20条の各論点についての学説の議論状況や裁判例の到達点について、各弁護団の報告にもコメントしていただきながら、詳細な報告をいただきました。前提として、労契法20条の制定経緯も踏まえ趣旨目的をどのように捉えるかが重要であることを強調されました。緒方教授は憲法上の価値から均等待遇が求められることを原則として捉えられており、そうでない学説との間で不合理性要件の解釈や判断要素の軽重について異なる考え方が導かれていることが、参加者の共通理解となりました。

各論点では、比較対象の問題や不合理性の判断要素について厳しい判決の判断が続いているため、現実的な課題として活発な議論がなされました。

比較対象の問題では、特にメトロコマース事件のように同一の就業規則が適用される無期契約社員のうち一部のグループを抽出して比較することができるのかが、大きな課題となっています。緒方教授からは女性差別に関する兼松事件に示唆を受けた提起がなされ、また中村和雄弁護士からは同一労働同一賃金が進むイギリスでは労働者が誰を比較対象とするのかを決定するというのが当然で、比較対象者がいなくても「仮装正社員」というものを想定して行うほどであるとの指摘がなされました。

不合理性判断については、これまでの判決では、漠然とした合理性の理由(優秀な人材の獲得や定着を図る、長期的な勤務に対する動機付けを行う等)が肯定される傾向にあり、乗り越えるべき課題となっています。今年9月の郵政20 条東京地裁判決では、不合理な差と認めた手当についても、「全く支払われないという点で不合理」として8割や6割の賠償に留めており、そうすると使用者は有期労働者に少しだけ払っておけば良いということになりかねず、大きな問題があります。

最後に、いま政府が来年にも法案を提出しようとしている働き方改革についても、議論を行いました。
久しぶりの労働法研究会に、終了後の懇親会も盛り上がり、萬井会長をはじめ、参加者からはぜひ開催頻度を増やしたいとの意見も出されました。今後、年に複数回の開催を目指したいと思います。テーマ等ご希望がありましたら、ぜひ民法協までお寄せください。

大阪憲法ミュージカル2017「無音のレクイエム」

弁護士 國本 依伸

 スタッフとして場内整理をしつつ、開演直前に客席ど真ん中に一つだけ空いていた席に滑り込んだ。隣席の上品な年配女性に話しかけられた。10年間5演目の全てに出演されているミズ大阪憲法ミュージカルこと元村さんのお知り合いだった。

舞台は昭和初期の千日前から始まる。コミカルな前半。天真爛漫なキャラクターたちが舞台上を駆け回る。周囲から笑い声が聞こえる。お隣のご婦人もよく笑ってくれていた。実は演じる側にとっては喜劇こそが難しい。ほんの少し言い回しやタイミングがずれるだけで途端に面白くなくなる。笑うべき場面なのに、スタッフ側としては観客が笑ってくれてホッとしたというのが正直な心情だ。と同時にこの先に彼らを待ち受ける運命を知っているが故に、彼らの振るまいが明るくて楽しげであればあるほど泣けてきた。この前半と後半のコントラストにより全体主義と戦争の非人間性を訴えることこそが脚本家の意図であると、観客席から観ることで今まで以上に気付かされた。

金星姫弁護士演じる踊り子が朝鮮半島出身であるが故に同僚たちから心ない言葉を投げつけられる場面が唯一、すでに 年戦争の時代であったことを暗喩する。しかしその点を除いては、前半の舞台は音楽も照明もひたすら明るく、150時間の稽古を経てきた出演者たちも生まれて初めて動く写真=活動写真を観て歓喜する市井の人々になりきっている。

元村さんと同じく常連出演者の若林さんが当時の愛国婦人になりきり(昨年は涙一つ流さず唇を噛みしめて息子の出征を見送る役だった)満面の笑みで「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」と駆け上がり、日米開戦を告げる号外を誇らしげに掲げる、そこから世界は一変する。国民服の男性とモンペ姿の女性が勇ましく歌い上げる。

ほふれ米英 我らが敵だ 年の怨みを晴らせ

喜劇の台本はじめあらゆるものが検閲され、千日前から笑いが消えた。思ったままを口に出してはいけない時代。「立派に死んで参ります」と高らかに宣言する息子を前に、万歳三唱するほかない母親たち。周囲からすすり泣きが聞こえる。お隣のご婦人もしきりにハンカチを動かしておられる。

出征前「人に死にに行けという芝居を書くくらいなら、自分が行く方がええ」と言い捨てた脚本家見習いの貞夫は、「自由に笑えん国はおかしい。それだけは分かるんや」と言い残し、野戦病院で命を落とす。「アホや! 戦争しとるもん、みんなアホやあ!」主人公である活動弁士、明の魂からの叫び。

昭和20年3月13日、274機のB29から投下された焼夷弾が大阪の街を焼いた。同年8月14日まで続いた空襲による死者行方不明者は1万人以上。お国の言うがままに繰り返した防火訓練では焼夷弾には太刀打ちできず、逃げることを禁じられた人々が無為に焼け死んだ。生き延びた人々の証言を出演者が再現する。「丸く前屈みで黒焦げになっている人の懐あたりの小さな塊は赤ん坊でしょうか。たった一人で歩いていると、生きて動いている人にあいたいと切実に思いました」。クライマックスは本作の主題曲「この時代に生まれて」のコーラス。

この時代に生まれて 声を上げずにいるのなら
この時代に生まれて 子どもたちに何を誇るのか
国が時代を作るなら 国を作るのは人のはず
青い空にも暗い闇にも 人は時代を変えられる

中盤以降ずっとすすり泣いておられたお隣のご婦人が、閉幕後に話かけてこられた。兵士の出征シーンと帰還シーンは自分の記憶のそれと全く同じだったと。普段は人前で話さないお父さんが神社の境内で集まった人々に向かって話していたのが珍しくその光景をよく覚えていること、そこでは「人に後ろ指指されることないように頑張れ」と言っていた祖母が後で泣いていたことなどをとつとつと話された。あの灰色の時代を実際に経験されている方からそのままだったと言われることは、演じる側としては最高の評価だろう。

4日間8公演に3000名を超える方に観劇いただいた。閉幕後、場内の「無音のレクイエム」の世界からロビーへ出て来られたお客さんたちの顔は一様に明るい。個人の尊厳に至上の価値を置き「政府による戦争の惨禍」を防ぐことを宣言した日本国憲法の理念が、4ヶ月間練習を積んできた84名の出演者たちのエネルギーに載って、ひとりひとりの胸にポジティブなメッセージとして届いた証左として理解したい。
大阪憲法ミュージカルの歩みはここで止まらず、来年9月の新作公演へと続く。

第21回パート・非常勤・ヘルパー・派遣労働者のつどい

大阪労連非正規労働者部会 部会長 嘉満 智子

2017年10月14日(土)天王寺区民センターにて、「第21回パート・非常勤・ヘルパー・派遣労働者のつどい」を開催し180人が参加しました。オープニングは、実行委員メンバー+αでこのつどいのために結成した「最賃あげあげKIT」による演奏で始まりました。

メインは、全国的に最低生計費調査に取り組んでいる静岡県立大学短期大学部の中澤秀一さんを招き、最低賃金のあり方について講演していただきました。「ますます深刻化する貧困と格差、7人に1人が『相対的貧困』状態、これらの諸問題解決のカギを握っているのが最低賃金。日本は、すべての人にここまでは保障しましょうというルールを確立してこなかった。フルタイムで働いてもきちんとした暮らしが可能となる賃金を受け取れないのはおかしい。最低生計費調査は要求の根拠となる “あるべき ”ふつうの暮らしを実現する第一歩となる。これからの運動は、根強く残っている雇用における差別を克服し、最低賃金を一部の人たちの問題とせず、自分たちの問題として取り組み、広く世間にアピールして合意形成をしていく必要がある。」と労働者がふつうに暮らせる最低賃金額の実現に向けた運動のあり方が語られました。

運動交流では、大阪教職員組合、福祉保育労、大阪自治労連、全国一般、ヘルパー労組連絡会、パート・非常勤連絡会の6団体から報告がありました。「正規に仕事を教えていても、非正規だから責任がないからと差別される。」「長年勤めていても来年雇用されるか分らない。」など職場の実態やたたかいを、詩の朗読や寸劇で発表しました。特にパート・非常勤連絡会は、「無期転換ルール」について自分たちがどうすればいいのかを分りやすく伝え、無期転換時に不当な労働条件の改悪には応じないようアピールしました。笑いを交えながらしっかりと中身を伝える寸劇はつどいの定番となっています。

争議報告では、労働契約法20条裁判(郵政ユニオン)、吹田市非常勤雇止め裁判(吹田関連評)の報告があり、守口学童の仲間からは、学童保育の民間委託が検討されており、指導員の雇止めが危惧されることも報告されています。維新市政の元での民間委託と一体となった非正規の雇止めをこれ以上繰り返すことは絶対に許してはなりません。

1996年 月に第1回目のつどいを開催し、今回で21年目を迎えました。これからも、様々な職場で働く非正規の仲間が集まり、学習・交流し、元気になるつどいをめざしていきます。

無期転換ルールを周知するための リーフレットが完成しました

弁護士 鶴見 泰之

 今月号の「民主法律時報」に挟み込まれていた無期転換ルールのリーフレットはご覧になられましたか?
このリーフレットは、有期・パート・非常勤問題研究会で、大塚さんたち研究会のメンバーが長い歳月を掛けて作成したものです。普段、労働問題に触れる機会が少ない方々にこそ、このリーフレットを手にとって頂きたいという想いで作られました。リーフレットでは、無期転換ルールについて、図解入りでわかりやすく説明されていますので、是非、ご覧ください。

無期転換ルールが適用されると、「次回も契約が更新されるのか」「雇止めされないか」と不安な気持ちを持ちながら職場で働き続けるストレスからも解放され、安心して同じ会社で働き続けることができますので、一人でも多くの労働者に無期転換ルールを知ってもらい、無期転換ルールを活用していただきたいと考えています。

ここで簡単に、無期転換ルールについて、説明をします。
2013年4月1日以降に締結された有期労働契約が反復更新され、契約期間が通算で5年を超えたときに、労働者の申込みにより、有期労働契約が無期労働契約に転換される制度のことを無期転換ルールと呼んでいます(労働契約法18条1項)。

契約期間が1年の労働者を例にとりますと、2013年4月1日に契約を締結または更新したときを出発点として、5年目(5回目)の労働契約が更新された2018年4月1日以降に、労働者から会社(使用者)に対して、労働契約内容を無期転換にする旨の意思表示をします。そうすると、次回の2019年4月1日からの労働契約が期間の定めのない契約に変わります。

無期転換についての使用者の承諾は不要です。もしも、使用者が無期転換の申込みを拒否したとしても、そのような拒否は無意味な行為ですので、ご安心ください。労働契約法18条1項により、使用者は無期転換の「申込みを承諾したものとみなす」と明記されていますので、使用者の意思表示とは関係なく、労働契約は無期に転換します。

ただ、賃金や労働時間など、期間以外の労働条件につきましては、これまでの契約と同じ内容のままですので、団体交渉などにより、待遇の改善を求めることになります。

職場や街頭などで、無期転換のリーフレットの配布を考えられている方がおられましたら、民法協までご連絡をください。今後、1年から2年間ほどの時間を掛けて、このリーフレットを配布し、無期転換ルールを周知したいと考えています。