民主法律時報

裁判・府労委委員会報告―― 大阪高裁での労働事件の動向について

弁護士 長瀬 信明

2016年7月13日、エル・おおさか南館7階71号室において、大阪市思想差別アンケート事件・JAL整理解雇事件の大阪高裁判決を題材に、大阪高裁での労働事件の動向について、裁判・地労委委員会を開催した。争議団、弁護士を中心に30 名以上の方が参加し、大阪高裁での労働事件の闘い方について、忌憚なく意見交換をした。

原野早知子弁護士から開会挨拶、趣旨説明の後、西晃弁護士から「最近の大阪高裁判決から~大阪市思想差別アンケート事件・JAL整理解雇事件」と題して、両事案の概要、判決の概要、地裁と高裁とで判断を分けたポイント、高裁の問題点、反省点等について詳細な報告がなされた。併せて、大阪高裁の裁判官について、修習期別の人数を示すなどして分析された。

続いて、当職から、大阪高裁の労働事件以外も含めた近時の全体の傾向について、事案の概要、判決内容等を元に報告を行なった。
その後、参加者で実際に控訴審で当事者となっている方々や弁護団からの報告等がなされ、今後にどのように取り組むべきか討論がなされた。
会の終了後も、懇親会において、引き続き、議論がなされた。

裁判・府労委委員会では、権利討論集会の分科会のみでは時間が足りないとの認識の下、年に数回例会的に委員会を開催し、議論を深めていく予定である。今回のような情報交換・意見交換は有意義であり、定期的に行っていく必要があるので、会員の皆さまには、積極的に参加・情報提供をしていただきたい。

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