民主法律時報

寸劇出演の記――大阪弁護士会主催市民集会

弁護士 高 橋 早 苗

 2014年9月13日、大阪弁護士会で「市民集会『労働の規制緩和は私たちになにをもたらすのか?』~えっ 大阪が『残業代ゼロ』特区になるって?!」が開催されました。
第1部「知っておきたい! 労働の規制緩和」では寸劇と東京大学名誉教授の田端博邦先生のご講演が、第2部「みんなで考えよう! 幸せになる『労働規制』とは。」では、「ブラックバイト」実態調査報告のほか、様々な現場の方から発言がありました。この集会で私は第1部の寸劇に出演させて頂きました。

寸劇の内容は、就職に困った青年が先輩のアドバイスを受け、一見魅力的な労働条件に見えて実はブラック、という職場を次々経験してしまう…という現在のそして今後の労働規制緩和で生じるであろう労働問題を分かりやすくお伝えする内容です。私が担当したのは、ブラックな会社の社長に鋭く(?)インタビューをするアナウンサーのユミという役でした。普段あまりテンションの高くない私は、台本に書かれたユミのテンションの高い台詞に戸惑い、当初は照れもありなかなか振り切って演じることができませんでした。しかし、総監督の小野順子弁護士からの演技指導はじめ、他の役の弁護士と練習をしているうちにだんだん楽しくなってきて、当日は緊張はあったものの、楽しく舞台に立つことができました。

今回、寸劇に参加したことで嬉しかったのは、多くの市民の方々に参加して頂いたことはもちろん、普段こうした集会などには参加しない当事務所の事務局3人も参加してくれたことでした。事務局3人は、寸劇だけでなく、引き続く田端先生のご講演も熱心にメモをとりながら聞いていたとのことで(当事務所で労働問題が発生しているわけではありません。たぶん。)、普段はこうした労働関係の集会などにあまり参加しない人たちにとって、寸劇が参加のきっかけになり、また問題意識をもってもらうきっかけとなったようです。今回の労働規制関連の問題もそうですが、私たち弁護士が扱う法律関係の問題は何かと小難しく、普段法律に接していないような方々には若干近づき難いものとも言えます。今回寸劇をやってみて、寸劇はレジュメを見ることもなく気楽に眺められるものであり、難しい話を分かりやすく伝える導入のきっかけとして、また、そもそも集会や講演の参加のきっかけとなるということがよく分かりました。今後も寸劇出演の機会がありましたら、怖じ気づくことなく出演したいと思います。

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