民主法律時報

2014年3月号

組合事務所の使用許可問題で大阪府労働委員会が橋下市長の「不当労働行為」を断罪

大阪市役所労働組合 中 山 直 和

 2月20日、大阪府労働委員会は橋下市長が「本庁舎の組合事務所の退去を求め」「本庁舎に係る行政財産使用許可申請について不許可」としたことは「労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると認め」、「今後このような行為を繰り返さないようにいたします」との文書を大阪市役所労働組合に対して速やかに手交するよう命令を下しました。
この間、橋下・維新の会とのたたかいにご支援いただいた弁護団をはじめ多くのみなさんにお礼を申し上げるとともに今後のたたかいの地歩を築けたことをご報告します。

大阪市役所における組合事務所の 使用許可に関する経過について
 2011年11月に実施された大阪市長選挙で当選した橋下氏は市職員への「統制」を一気に強めました。投票日の翌朝マスコミの取材に「民意」について自分の意見を述べた職員を探し出し「反省文」を書かせたり、前市長の側近幹部を更迭するなど、市職員に大きな衝撃を与えました。12月末になり市議会で維新の会の議員が大阪交通労組の組合活動を取り上げたことを契機に、橋下市長は「庁舎内での政治活動をいっさい認めない」「組合事務所の庁舎内からの退去を求める」と発言し労働組合への攻撃を開始しました。
 これらマスコミによる報道が先行する中、大阪市当局は私たちの質問に何ら答えることなく2012年1月30日に一方的に「退去通告」を行い、2012年度の使用許可申請に対して「不許可」としました。また、団体交渉の申し入れに対しても拒否し続けてきました。その背景に橋下市長による労働組合潰しの意図が存在することは明確であり、不当労働行為そのものでした。

組合事務所使用の正当性と 大阪市役所労働組合のとりくみ
 私たち大阪市役所労働組合(市労組)は1990年7月に結成し、発足当時から市民本位の市政を実現するため、大規模開発の無駄づかいや労使癒着を徹底して批判してきました。また、本庁舎内に組合事務所の設置を一貫して求めてきましたが、2006年になり大阪市当局はいわゆる「大阪市問題」を契機とした労使癒着解消の象徴として私たちの組合事務所を市役所地下1階に移転することを認め、同年8月に移転しました。
 そして、現在も市民や労働組合の支援を受け市役所内に組合事務所を構えてとりくみを続けています。

大阪府労働委員会が橋下市長による「不当労働行為」を認定し、謝罪文の手交を命令
 大阪府労働委員会は、組合事務所の退去を迫ることを「不当労働行為」と認定し、謝罪文の手交を命令しましたが、その判断を行った理由として以下の説明を行っています。
○庁舎内での政治活動と組合事務所の存在は、直接的に結びつかない(36頁~37頁 )
「実際に組合事務所を拠点に活発な政治活動が行われ、庁舎を訪れる住民にも一見してそれとわかり、庁舎の公共性を疑うような事態が常態化していたという場合ならば別であるが、通常は、直接的に結びつく関係にあるとはいい難いところ、庁舎内で政治活動が行われるおそれを払拭することと市本庁舎地下1階に組合事務所が置かれていることの関連性について、市が十分に検討を加え、その上で、退去通告及び本件不許可処分の決定に至ったと認めるに足る疎明はない。」
○(橋下市長の指示による)急激な方針転換について説明や協議をしなかった(37頁)
「市は、平成23年12月24日の段階では、庁舎内での組合事務所の使用につき、使用料の減免はしないとするものの、使用そのものについては認めることを前提としていたと推認でき、同月26日の段階で、使用を認めないとし、その後は、その方針に沿って、庁舎内からの組合事務所を退去させようとしたと解されるところ、急激に方針を転換したとの感は禁じ得ず、この方針転換により、市が直接、市労組に対し、庁舎内の政治活動に係るこういった問題を挙げて、今後は組合事務所の使用を認めないとの方針を伝え、組合事務所問題について説明や協議を求めようとしたこともない。」
○事務スペースの不足という数値自体が疑問(38頁 )
「市が作成した事務スペースの不足についての資料は、どの時点の面積を現面積として算定するのかすら一貫していない上、 (中略) 論理的で秩序だった検討を経て作成されたとはいい難く、約860㎡の事務スペースの不足という数値自体、疑問を持たざるを得ない。」
○退去通告・不許可の理由に合理性なく、協議なく・団交に応じず、拙速(38頁 ~39頁 )
「市が挙げる退去通告及び本件不許可処分の理由について、合理性があると認めるに足る疎明はなく、また、市は、その理由について自らの見解を明らかにして、具体的な説明や協議を行っていない。 (中略) 市は、使用を許可しないことにより市労組が被る不利益について、代替措置を含む協議も一切なく、また、団交にも応じず、拙速に市労組に対し、退去通告及び本件不許可処分を行い、もって市労組が相当の期間にわたり、組合活動の拠点として使用してきた組合事務所について従来どおり使用できない状況を生ぜしめたと判断される。」
○不当労働行為の判断に労使関係条例の施行は左右されない(39頁 )
「市は、便宜供与を行わない旨定めた労使関係条例の施行によって、市労組が請求する救済内容については、市のなし得ない不適法な内容を求めたものに当たり、市労組は申立ての利益を喪失したものであって、労働委員会規則の却下事由に該当する旨主張するが、労使関係条例の施行は前記(注:不当労働行為の認定)の判断を左右するものではない。」

市民本位の市政実現に今後とも 全力を挙げます
 今、橋下市長は「大阪都構想」の議論に行き詰まり、大義も道理もない市長辞任・再選挙を行っています。これまで橋下市長が実行してきた「市政改革プラン」は公約を平気で破った市民サービスの切り捨てであり、職員と労働組合への激しい攻撃は市民との連帯を阻み、露払いとして強行されてきたものです。
 私たちは橋下市長に対して大阪府労働委員会の命令に従い、不当労働行為への反省と労働組合、市民、職員への謝罪を強く求めています。また、住民の生活と権利を守るために、維新政治ストップをめざす活動に全力で奮闘する決意を表明いたします。

個人委託労働者の権利獲得の闘い

JMIUビクターアフターサービス分会 分会長 山 口 則 幸

 2014年2月20日、最高裁はビクターサービス事件で会社側の上告を棄却しました。個人委託労働者の団結権団体交渉権が認められ、会社の団交拒否が不当労働行為にあたるとした大阪府労働委員会の命令が確定しました。個人委託契約であっても、その実情をみて労組法上の労働者といえると判断しました。
 私は、25年前にビクターのサービス会社と、ビクター製品の修理を行う「代行店」として、業務委託契約を交わしました。契約の名称は、業務委託でしたが、実際働き始めると、個人事業主ではなく、待遇面を除けば、社員と変わりありませんでした。社員と同じ制服を着て、サービスセンターに9時までに出社し、朝礼にも社員と一緒に出ました。社員は土・日が休日ですが、私たち代行店はよほどの事情がない限り平日週1回の休日で、社員以上に会社のために働いてきました。業務委託とは名ばかりで、何の自由もなく、社員以上に会社に縛られていました。
 仕事が多い時は、週に一度の平日の休日も返上して働きました。仕事が少なくなり、収入が減っても、会社は何も保証してくれることもありません。仕事が少なくなった時、真っ先に代行店が人員整理の対象になるのも見てきました。一生懸命働いて、体を壊しても、けがをしても何の保証もありません。支払い率を一方的に下げられても何も言えません。一人で何かを要求してみたり、改善を求めても聞いてもらえず、文句を言いたくても契約を解除されるのではないかと、声を上げることも出来ませんでした。
 そんな不安定、無権利な状態をどうにかしたいと思い、代行店の仲間が団結して組合を作りました。団結して、団体で話し合いを求めたら、会社も、きちんとした話し合いの場を持ってくれると思いました。そして組合を結成して、条件の改善のために、会社に話し合いを求めました。
 長年、会社のために働いてきて、会社の一員であると思っていたのに、会社は、私たちの労働組合を認めず、まったく会社とは関係の無い部外者でもあるかのように、交渉に応じませんでした。
 私たちは、会社の団交拒否の不当労働行為をやめさせるために大阪府労働委員会に救済を求めました。そして大阪府労働委員会、中央労働委員会、東京地裁、東京高裁、最高裁、東京高裁差し戻し審、最高裁上告不受理となり、私たち個人請負労働者の労働者性が認められ、委託契約者の団結権、団体交渉権が確定しました。実に団体交渉をするために7審、9年の年月を費やしました。
 この間会社は、団体交渉に応じないばかりか、組合を敵視し、潰すことに必死になりました。業務上必要なパソコンの使用を禁止し、サービスセンター内への立ち入りも禁止し、担当区域の削減、1日の仕事量を7件あったものを3件までと、上限を決めてしまわれました。収入は激減し、生活もできない状態に追い込まれました。さまざまな労働組合や支援の方々のカンパや支援金、物品販売などでこの闘いを続けることができました。労働者の権利獲得のために、頑張ってくることができました。
 ただ、団体交渉をすることのために、労働委員会、法廷闘争で9年もかかることは固定給のない労働者にとって耐えがたいものです。声をあげようとしても、このように長い裁判闘争では声が上げられません。もう少し迅速な解決が必要です。

 社員として雇用するのではなく、個人委託契約にすることによって、人件費や社会保険料の負担、雇用責任の回避が出来ます。最低賃金の保証もありませんから、仕事が無くなっても、ほったらかしにしていてもよいのです。これほど会社にとって都合のいいことはありません。こんな便利な雇用形態はありません。こんな労動者が団結して、会社に自分たちの意見を言える権利を認めた今回の最高裁の決定は非常に有意義なものであったと思います。

第2回労働相談懇談会の報告 ――社会保険制度について

弁護士 馬 越 俊 佑

 2月21日(金)に第2回労働懇談会が開催されましたのでご報告いたします。
 主催者挨拶の後、初めに西川大史弁護士から、平成25年11月から平成26 年2月20日までにあった労働情勢についての報告がありました。
注目すべきは、泉南アスベスト被害者に対し、大阪高裁が「国が法規制をせず、安全対策を怠ったのは違法」として1審より国の責任を重く認定し、3億4000万円余りの賠償を命じた(12月25日)ものです。
 また、大分県中津市の市立中学校図書館で非常勤の司書として  年間勤めた男性に対して、市が一般職として認めず退職金を支払わなかったのに対し、福岡高裁が1審大分地裁中津支部判決を取り消し、市に全額の支払いを命じた(12月12日)判決も注目すべきものと考えます。
 さらに、最高裁判所が示した基準や認定が今後の情勢に影響するものとして、1月24日に出された、派遣添乗員の「みなし労働時間制」の適用をめぐり、労働時間の算定が困難といえるかどうかは①業務の内容、②会社がどのような方法で指示や報告をしているか等を考慮して判断すべきである、とした判決も注目すべきと考えます。この他にも重要なものがありました。
 次に、学習会「年金、健康保険、労災、雇用保険などについての基礎知識」が開催され、講師を鈴木威信社会保険労務士(法円坂法律事務所内)が勤めました。
 まず初めに労働保険、社会保険の概要を解説して頂き、次に労働保険、社会保険のトラブルについてわかりやすく解説して頂きました。
社会保険制度は誰もが知っておくべき制度であるのに、小学校、中学校、高校と学校では習わないだけでなく、社会人になっても習うことがないというのが問題であると指摘されていました。
 最後の質疑応答の時間では、多くの質問がありました。印象に残ったものとしては、「企業が社会保険に加入していないことに罰則はないのか」という質問があり、これに対して「罰則はあるが、現実的にあまり適用されていない。」と説明されたこと、「離職票が2~3ヶ月出されない場合があるが、どうすればよいか」という質問に対して「職業安定所所長の職権で提出させることはできるが、経済的な損害は会社に対して損害賠償請求するしかない」と説明されたこと、「保険料が4月、5月、6月の収入で決まるのは何とかならないのか」との質問に対して「特例で例外が認められる場合があるが、単に忙しかったというだけでは難しい」と説明されたこと、がありました。
 最近の労働情勢の報告や社会保険制度についての講義により、少しでも労働者の権利を守ることにつながればよいと考えます。
 次回は、5月29日午後6時30分からの予定です。皆様ふるってご参加下さい。

2014年新人学習会第1回「 ブラック企業の傾向と対策」

弁護士 吉 村 友 香

1 はじめに
 2月24日に新人学習会が開催されました。
 テーマは、今まさに社会問題化している「ブラック企業」。中西基弁護士より、「ブラック企業の傾向と対策」というテーマでお話がありました。さらに、地域労組おおさか青年部の北出茂さんからも、青年部で取り組まれている対「ブラック企業」争議に関するお話を聞くことができました。

2 「ブラック企業」という言葉が 広がったことの意義

 最近よく耳にする「ブラック企業」という言葉ですが、その言葉の歴史は浅く、2000年以降に違法状態で働かせる過酷な労務管理の職場について、若者達がインターネット上で情報交換を始めたところから広がったそうです。
 日本の労働現場では、違法な状態で働かせるということが数多く起こっていましたが、労働者がその違法状態を社会に告発するということはそれ程なかったようです。しかし、「ブラック企業」という言葉が広まり、それによって違法状態を告発してこなかった、できなかった労働者が声を上げるきっかけとなったのではないでしょうか。

3 ブラック企業の傾向
 私は、これまで、「ブラック企業」は、若者に無茶な働き方をさせる会社だという漠然とした認識しか持っていませんでした。しかし、実は、「ブラック企業」の使い捨ての手口・傾向には、様々なものがあるようです。
 具体的には、①長時間労働、②残業代不払い、③詐欺まがいの契約、④法制度の悪用、⑤パワーハラスメント、⑥被害の隠蔽等の手口で、若者を使い捨てにします。
 学習会では、「ブラック企業」で実際に行われていた事例が紹介されましたが、その中には、新卒研修と称して巨大な穴掘りをさせる会社、深夜まで続く接客対応・電話対応の練習をさせる会社、さらには、退職を申し出た労働者に高額の損害賠償請求をする会社等、耳を疑う事例が多数ありました。

4 「ブラック企業」とどう闘うか
 学習会では、ブラック企業と闘うことが重要で、その取り組みの中で「違法な労働」に対する社会全体の意識を変えていく必要があるという問題提起がなされました。「ブラック企業」と闘う事例として、地域労組おおさか青年部の取り組みが非常に参考になりました。団体交渉を通して、会社の違法な行為を徹底的に指摘、是正を求め、また違法行為を放置する会社については社会問題化を図っていくという取り組みです。
 ブラック企業に対抗する方法は、おかしな働き方が蔓延し、日本社会が活力を失う前に、ブラック企業の違法性を突いていくことに尽きるのではないでしょうか。

だまってられへん! 秘密保護法 学習と交流の集い

新聞労連近畿地連 伊 藤 明 弘

 民法協、自由法曹団、国民救援会、大阪労連、関西MICの5団体は2月28日、大阪市の住まい情報センターホールで「だまってられへん! 秘密保護法・学習と交流の集い」を開催した。集いは70人を超える参加で、昨年末に強行可決された特定秘密保護法への理解を深めるとともに、廃止に向けた取り組みの情報交換と、運動の継続を確認した。
 あわせて同5団体はこの集いで「秘密保護法廃止ネットワークおおさか」を立ち上げることを確認し、参加者らに情報提供などの協力を求めた。
 集いでは、刑事法学者で甲南大学名誉教授の斉藤豊治氏を講師に迎え、自由法曹団大阪支部が発刊予定のパンフレットの内容に沿って講演。同法の憲法に反する重大な欠陥を指摘し「特定秘密保護法は治癒不可能であり、廃止しかない」と強く訴えた。
 次に、愛知での取り組みの報告として「秘密保全法に反対する愛知の会」の発行する『極秘通信』の編集長・矢崎暁子弁護士が発言。2年前の準備会立ち上げから、全国の情報集約・拡散を担うブログのアクセス数が6日間で  万アクセスを記録するまでのプロセスを披露した。
 東京からも新聞労連副委員長の米倉外昭氏を招き、国会情勢の報告と東京での様々な取り組みの報告を受けた。
 大阪での取り組みの報告と今後の予定の紹介・決意では、新日本婦人の会、ロックアクション、保険医協会、大阪国公、大阪弁護士会、憲法会議から活動紹介がなされた。
 最後に民法協の中西事務局長が「秘密保護法廃止ネットワークおおさか」の趣旨について説明、運営への協力を求めた。同ネットは特定秘密保護法の廃止を求めるための行動についての情報交換の一点で機能させ、特に初めて運動に参加する一般の市民などへの情報提供ステーションの役割りを目指す。

ブログは  http://himitsuhaishiosaka.blog.fc2.com/
情報提供先メールアドレスは shimbun-kinki@nifty.com

「ほんまにええの? TPP大阪ネットワーク」結成

全大阪消費者団体連絡会 事務局長 飯 田 秀 男

説明責任と国会決議遵守を求めて
 3月8日、「ほんまにええの? TPP大阪ネットワーク」(以下、「大阪NW」)が結成され、その記念シンポジウムが開催された。8日までに民法協を含む27 団体の賛同・加入があり、申し合わせ事項とともに確認された。「大阪NW」の代表には樫原正澄関西大学教授が就任した。「大阪NW」は、日本政府に①TPP交渉における国民への説明責任を果たすこと、②衆参農林水産委員会における国会決議を遵守することを求めて運動をすすめる。

規制緩和政策とTPPは表裏一体
 これまで、米国は米国通商代表外国貿易障壁報告書等で食の安全基準や医療、公共事業、保険、自動車、通信分野などの市場開放・規制緩和とともに、米国企業の利益を損なうとして、ジェネリック医薬品の認可先送りや喫煙抑制広告の制限を日本政府に迫っている。既に、日本政府はBSEの輸入月齢緩和やがん保険の市場開放、軽自動車税の引き上げなどを行い、米国の要求を受け入れている。
 安倍内閣は、産業競争力会議や規制改革会議によって国内の規制緩和政策をこれまでの政権以上に加速させている。この規制緩和政策は、米国通商代表外国貿易障壁報告書に代表される米国からの規制緩和圧力と表裏一体をなすものである。したがって、国内の規制緩和が、TPP協定の先取り的な役割を果たすことも十分考えられる。

国民生活と国の形を変えるTPP
 8日の記念シンポジウムでは、医療、労働・雇用、郵政、公共事業分野の規制緩和の進行によって脅かされる国民生活について、4つの専門分野から報告を受けた。報告では、①米国の圧力や規制緩和政策で一層の市場化が推し進められ、医療制度や雇用ルールが改悪されて格差と貧困が広がってきたこと、②米国の要求に沿って郵政民営化が推し進められ、その国民的財産が内外の大企業に狙われていること、③道路や橋梁などの社会インフラ資本が更新期を迎えている中、内外の大企業が利益を求めて日本市場を虎視眈々と狙っていることが明らかになった。これらの延長線上にあるTPPへの加入は、まさに国民生活と国の形を変えることに直結することも鮮明になった。

撤退するしか道のないTPP交渉
 4月のオバマ米国大統領の訪日までに日米2国間協議の合意を図りたいとする日本政府に、米国は様々な圧力を行使することによって一方的譲歩を迫っている。日本政府のとるべき道は、TPP交渉から撤退する以外に選択肢はない。

さよなら原発 3.9関西行動に参加して

弁護士 中 平   史

 3月9日、扇町公園ほかに7400人が集まって『さよなら原発 3.9関西行動―すべてのいのちと未来のために―』が開催されました。午後からの集会では、歌声協議会の「花を咲く」、自家発電による月桃の花歌舞団の歌舞、制服向上委員会、「子どもの広場」に参加した子どもたちの「手のひらに太陽を」の合唱のほか、次の個人・団体からアピールがありました。
 福島原発告訴団事務局の地脇美和さん、原発反対福井県民会議事務局長の水上賢市さん、小出裕章京都大学原子炉実験所助教、平和を考える関西市民会議、緑の大阪、原発ゼロの会大阪、さよなら原発神戸アクション、安保強化と改憲ストップ!神戸大生の会、監視テント&テント応援団・関西、ストップ・ザ・もんじゅ、チェルノブイリヒバクシャ救援関西、美浜の会、若狭ネット、ノーニュークスアジアフォーラム、大阪平和人権センター、しないさせない戦争協力関西ネットワーク、9条連絡会・近畿、憲法9条の会・関西、釜ヶ崎日雇労働組合、とめ原、平和と民主主義をめざす全国交歓会、コープ自然派ピュア大阪。
 3年前の震災当日、夕方頃から放映され始めた大津波のニュース映像はこの世のものとは思えませんでした。大地震が福島県の原発や宮城県の女川原発をも直撃していたことを知り報道にくぎ付けになっていた私たち。爆発する福島第1原発の様子が映し出されました。水蒸気爆発、メルトダウン、シーベルトなどという言葉もまだ正確には知りませんでした。
 あれからいろいろ学びました。そして、当然「もはや原発に依存していてはいけない!」と政策が変更されるものと思いました。
 ところが、現実は全く違いました。未だに放射能汚染水の海への流出を止めることも出来ないのに「大事故が起こった国の原発だから、安全なのです」と他国に原発セールスに出向く首相。小出先生によれば立入禁止区域は琵琶湖の1.5倍の面積に及ぶそうです(立入禁止解除区域が安全なわけではない。無理やりに帰らされるとも)。
 相変わらず「原発による電力供給の利便性」と「私たちの命や健康や安全」が当然のように天秤にかけられ、経済効率性という物差しで測られています。
 すべてのいのちと未来のために、まだまだ私たち自身による行動が必要なようです。小さなことでもできることをしなければ~たくさんの人が同じように思い集まっていることに励まされてそのように思いました。
 集会後、3つのコースに分かれて、「関電は、大飯、美浜原発の再稼働をするな!」等々とパレードをしました。

書籍紹介『働く人のためのブラック企業被害対策 Q&A』

紹介者:出版ユニオン大阪 大久保 武 則

 違法な労働条件で若者を働かせ、人格が破壊するまで使いつぶすブラック企業。現在では「追い出し部屋」に見られるように、有名企業も含めて「ブラック」化し、政府も「若者の使い捨てが疑われる企業」対策を打ち出さざるを得ないほど、若者から中高年層も含め、被害者が拡大している。
 ブラック企業の告発はNPO法人ポッセ(POSSE・代表:今野晴貴氏)によりすすめられ、現在では多くの著者・編者、出版社から発行されている。しかし、実際に被害にあっている人やその親に対する、わかりやすい解説書は少ない。
 今回ブラック企業被害対策弁護団著の本書は、
 ①就職活動中や入社前に知っておきたい
 ②試用期間など
 ③賃金・労働時間
 ④その他の労働条件
 ⑤人事異動・休職
 ⑥解雇・退職強要
 ⑦非正規労働・その他
 ⑧相談したい・闘いたい
という8つの項目に分け、女性からの相談が多いと思われる項目については女性弁護士が答えている。民法協の中西基弁護士(インターントライアル)と谷真介弁護士(配転命令)も書かれている。一般の人にとってもわかりやすい本である。
 各項目は、Q&Aで始まり、その問題点と解説、対処法が記述され、最後に「ここがPOINT」で対処法が具体的に箇条書きで短くまとめられている。
 現在、労働者は個々ばらばらにされ、おかしいと感じながらもその問題点と対処法がわからず、諦めてしまう人が多いと思われる。また、組合に相談してもまともな対応をしてもらえなかったという話もよく聞く。
 このようなことが少なくなるためにも、組合活動に携わっている人や相談者に推薦したい本書である。

ブラック企業被害対策弁護団著
発行:LABO
定価:1700円