「声を上げれば世界は変わる」 働き方ネット大阪第16回つどいを開催

2012年08月31日

働き方ネット大阪副会長 柏 原 英 人

 2012年7月24日に働き方ネット大阪の第16回つどいが、「声を上げれば世界は変わる」をテーマに開催され、68名が参加しました。
つどいは、会長の森岡孝二関西大学教授の開会の挨拶で始まり、報告1として服部信一郎さん(大阪革新懇ソウル訪問団事務局長)の「韓国における市政改革の新しい波から何を学ぶか」、報告2として後藤宣代さん(福島県立医科大学講師)の「世界に拡がる草の根運動―オキュパイ運動とフクシマをつなぐもの―」がありました。
その後、恒例のリレートークで岩城穣弁護士(働き方ネット大阪事務局長)の司会のもと川村遼平さん(NPO法人POSSE事務局長)、北出茂さん(大阪青年ユニオン)、呉竹陽子さん(新日本婦人の会大阪府本部中央支部事務局長)、大口耕吉郎さん(全大阪生活と健康を守る会連合会事務局長)のみなさんの報告がありました。

服部さんからは韓国訪問の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長との懇談で、ソウル市長が市民に軸足を置き歩もうとしていること、「格差を解消するのが市長である私の役割」と述べ、ソウル市非正規職員の4割近い1054人を正規化した実績等を紹介しました。大阪の橋下市長と対照的な市長であるとの感想を持ったとの報告がありました。
又、イギリスのフェビアン協会をモデルに「普遍的福祉」が政党スローガンになるようにと活動している福祉国家ソサエティ(シンクタンク)の運動と韓国の900万人(51.4%)非正規労働者の雇用不安と不合理な差別の撤廃を求めて闘っている韓国非正規センターの「希望バス」争議支援等の闘いを紹介しました。
最後に服部さんは韓国においては「統治能力」を視野にした活動と運動、青年と非正規労働運動の捉え方、大企業に対する社会的責任追及と市民が主人公の政治が生きていると結びました。

後藤さんは、まず今回の震災で被曝者になり、「見えない恐怖」におびやかされ闘っていること、被曝者としての生々しい体験と社会科学者として現地でなければわからないことを、世界に声を広げようと頑張っていると述べられました。
続いて、アメリカのオキュパイ運動について、運動の始まりが、2005年のカリフォルニア大学バークレー校における学生運動と労働者の連帯からだといわれていること。「99%のための経済政策を…」「99 %にテイクバックし全てを取り戻そう」をスローガンに、運動が「当初は、なんだあんなもの…」といわれていたことが全米に広がり、世界に広がっていったこと等を紹介されました。
オキュパイ運動にはそれぞれが新たな役割をになう多様な社会階層の参加があり、さらに開かれた闘いとして民主主義の巨大な合流と国際連帯があると指摘されました。
運動の合言葉は「スペインの若者のようにたたかおう」「カイロのタハリール広場のようにたたかおう」となっていること等、実際にアメリカに行って「オキュパイ運動」をつぶさに見てきた後藤さんの話は私達に臨場感を持ってわかりやすく説明していただきました。
最後に、3・11フクシマで「フクシマを綺麗にして返せ、全面補償せよ」と東電へ乗り込んだ農民が東電に要求を認めさせ、「子供たちを放射能から守れ」と文科省へ押しかけた保護者が、「福島の子供たちをモルモットにするな、年間放射線量  ミリシーベルトを1ミリシーベルト(国際基準)以下に」と声を上げ実現させたことを紹介されました。

続いて岩城弁護士の司会でリレートークがありました。
NPO法人POSSE(ポッセ、20~30代の若者が中心になって運営する特定非営利活動法人、2006年設立、若者の労働相談・生活相談を年間350件ほど受付)の川村さんは、若者へのアプローチで「NOという選択肢はある」、「NOは無理でもSOSを!」と取り組んでいる事例を紹介しました。
その中で、特に大阪青年ユニオンとの連携で、類似の苦難に立ち向かう者との出会いが勇気を与え、声を出させ、解決後の定着を図る場として有効に機能していると報告がありました。
大阪青年ユニオン(全大阪地域青年層の労働相談を年間200件ほど受付、団体交渉を20件ほど行う)の北出さんは、相談に来た若者が声を上げ、勝利解決した数多くの事例の中で、「会社も、ユニオンとの団体交渉が勉強になった」と団交後も良好な関係が築けたことなどの事例を紹介しました。
また、ポッセとの連携は大阪青年ユニオンにとっても同様に有効に機能しているとの報告がありました。
全大阪生活と健康を守る会連合会の大口さんは、強まる生活保護攻撃のなかで申請者と受給者を支援する活動を果敢に展開している事例を紹介した後、政府は世界と比べて極端に低い生活保護の捕捉率のさらなる低下を推し進めようとしていると指摘しました。
新婦人(平塚らいてう・いわさきちひろ・壺井栄等532人が呼びかけ、5つの目的を持って活動し、今年創立50年になる)の呉竹さんより、新婦人は府下に820の班があり、月に1、2回小組(こぐみ)をつくって、様々な要求に合わせて行っている活動を紹介した後、今、新婦人は、さよなら原発・平和への思いを持って、消費税増税反対や原発ゼロを目指し、「発信&行動しよう」と「私は言いたい」運動を広げているとの報告がありました。

わたしはこの「第16回のつどい」で、社会の閉塞感の中でも「声をあげる」ことによって変えられるということを感じることができました。また、3・11以降の反原発運動の高まりが、民主党政治に対する怒りといらだちの中で日本においても大きな変化を起こそうとしてきていることも強く感じました。
さらにポッセと大阪青年ユニオンの連携は、オキュパイ運動のスタートが学生と労働者の連帯であったことを連想させ、恒例の懇親会と合わせて大変有意義なつどいとなりました。